「蟋蟀在戸」(きりぎりすとにあり)

「蟋蟀在戸」(きりぎりすとにあり)寒露 末候 10月18日~22日頃
きりぎりすが戸口でなく頃。10月に入って暑いような日が続いたと思ったら、雨ばかりが続きますね。きりぎりすなど、秋の虫の美しい音色で秋を感じる頃なのですが…

今回は、百人一首の91番目を紹介します!今、百人一首のカルタ取りがブームになっているのはご存知でしょうか?今というか、もう何年も前からですが…漫画の「ちはやふる」が読まれるようになってからです。昨年は、「広瀬すず」が主演で映画にもなり、ますます人気です。

きりぎりす 鳴くや霜夜(しもよ)の さむしろに
   衣(ころも)かたしき ひとりかも寝む

作者は、後京極摂政前太政大臣は、本名を藤原良経(ふじわらのよしつね)

現訳は、「こおろぎが鳴いている。この霜夜の寒々としたむしろに、自分の衣の片袖を敷いて独り寂しく寝るのであろうか。」秋の、もの寂しさが感じられる一首です。平安時代は女性と男性がともに寝る時は、お互いの着物の袖を枕にして敷きました。そこでこの歌のように、自分で自分の袖を敷いて寝るのは「わびしい独り寝」だと読むそうです。この歌を作る直前に作者は奥さんに先立たれたそうです。

百人一首は恋の歌が多く女性には人気です。一首一首に意味があり、調べると奥が深くて面白いです。娘がかるたクラブに所属しているので、家には本がたくさんあり、私も時々読んでいます。かるたクラブ自体は、風情なんて関係ない、1枚のかるたを取り合う、壮絶な戦いですが…これも又、違う意味で面白いです(笑)是非、皆様も秋の夜長に、百人一首の世界でものぞいて見て下さい。

 

陰陽配列の三字姓三字名の良い配列です。

 

 
 
 
 
 


2017年10月18日