「雷乃収声」(かみなりすなわちこえをおさむ
秋分の日ですね。昼と夜の長さが同じになる日です。太陽が真東から真西に沈む、春分の日と同じです。20日から26日までお彼岸にもあたります。仏教では、生死の海を渡って到達する悟りの世界を彼岸といい、その反対側の私たち人間界の迷いや煩悩に満ちた世界を此岸(しがん)といいます。そして、彼岸は西に、此岸は東にあるとされており、太陽が真東から昇って真西に沈む秋分と春分は、彼岸と此岸がもっとも通じやすくなると考えられて、先祖供養をするようになったそうです。(日本だけですが…)
お彼岸には必ず咲く、彼岸花をご存知ですか?実は、当医院の院長が好きな花で、10年ほど前に球根を植えてから、毎年必ずお彼岸になると咲きます!彼岸花には様々な説があります。お彼岸に咲き、墓地などによく植えられていたりするので、「死人花(しびとばな)」なんて名前で呼ばれたりもしますが、彼岸花の球根にはアルカロイドという毒があるため、気を付けるように「毒花(どく花)」とされたともあります。しかし、でんぷんを多く含んでいるため食用可能で、毒は水にさらすと抜けるため、昔は飢餓に備えて田んぼやあぜ道に植えて、苦しい時に毒を抜いて食用していたこともあったようです。また、花のある時期には葉がなく、葉のある時期には花がないので、(はみずはなみず)「葉見ず花見ず」、と呼ばれてたりもします。面白いですね。
秋分の日の初候は「雷乃収声」(かみなりすなわちこえをおさむ)9月22日~27日頃となります。夏の間に鳴り響いた雷が収まる頃とされています。「暑さ寒さも彼岸まで」の言葉の通り、秋の気候へと変わってきました。